オーストラリアは、世界でも有数のカフェ大国です。
おしゃれなインテリア、美味しいコーヒー、こだわりのスイーツが楽しめるカフェが街中に点在しています。エスプレッソベースのコーヒー文化はもちろん、アサイーボウルやスムージーなど健康志向のメニューも充実しています。ここでは、旅行者にも地元民にも人気のカフェスポットとおすすめメニューをご紹介します。
オーストラリアのカフェ文化とは?
カフェは、現地の人々にとっては日常の一部でもあります。オーストラリアならではのこだわりや、コーヒーの注文スタイル、フレンドリーな雰囲気など、日本とはひと味違うポイントを見ていきましょう。
エスプレッソ文化が根付いたコーヒーの本場

オーストラリアのカフェ文化は、1950年代に始まりました。イタリア系移民が本格的なエスプレッソマシンを持ち込んだことが始まりです。
インスタントコーヒーに代わって、濃厚で香り高いエスプレッソ文化が広まったのです。
中でもメルボルンは、、「世界一コーヒーにうるさい街」とも称されます。市内に数千軒もの個人経営カフェがあります。
バリスタは技術職としてリスペクトされ、地元の人々も味に妥協しない姿勢で知られています。2008年にはスターバックスが支持を得られず、多数の店舗を閉鎖したことも象徴的です。
こうした背景から、メルボルンのカフェ文化は本物志向で世界的にも高く評価されています。
注文時のカスタマイズが自由!ラテ、フラットホワイトとは?

オーストラリアのカフェでは、注文時にミルクの種類や泡の加減まで細かく指定できるなど、自分好みにカスタマイズするのが一般的です。中でも人気のメニューが「ラテ」と「フラットホワイト」です。
ラテはエスプレッソにたっぷりのスチームミルクと厚めのフォームを加えたまろやかな味わいで、大きめのカップで提供されます。
一方、フラットホワイトはラテよりも泡がごく薄く、スチームミルクとの比率も少なめです。そのためコーヒー本来の風味をしっかり楽しめるのが特徴です。オーストラリアまたはニュージーランド発祥とされ、コーヒー通に好まれています。
暮らすように味わった、心に残るスイーツとローカル体験
観光地を巡る旅ではなかなか出会えない、「暮らしの中でふと訪れる甘い時間」。オーストラリアで過ごした日々の中で、パートナーの家族とともに過ごす時間や、地元のフードコートやベーカリーでの何気ないひとときが、私にとっては何よりの贅沢でした。ここでは、観光スポットではない場所で出会った、本当に心に残ったスイーツ体験をご紹介します。
ケアンズのフードコートで出会った、揚げたてドーナツと笑顔の接客

ケアンズのショッピングセンター内のフードコートで、ドーナツの甘い香りに誘われて立ち寄った時のこと。
パートナーが「揚げたてが食べたい」とお店の人にお願いすると、スタッフは「もちろん!」と笑顔で応じてくれました。日本なら「並んでいるものからお選びください」と言われそうな場面です。しかし、オーストラリアでは気さくに対応してくれる柔らかさがあります。その場で揚げてもらったドーナツは、ふわふわで温かく、どこか昭和時代に母が作ってくれたおやつのような懐かしさがありました。
そんなドーナツとフレンドリーな接客に、オーストラリアらしい「ゆとり」を感じた体験でした。
スタンソープで味わった、絶品ラミントンと静かな時間

クイーンズランド州の田舎町・スタンソープ。ここで訪れた「Foxy’s Bakery」は、地元の人たちに愛される小さなベーカリーです。中でも一番印象に残っているのが、オーストラリアの伝統菓子・ラミントンです。しっとりしたスポンジにチョコレートソースを染み込ませ、表面にココナッツをまぶした素朴なケーキは、「オーストラリアで一番美味しい」との声もあるほど。決して派手ではありませんが、やさしい甘さと素朴さが心を癒してくれます。
観光地とは違う、静かな町で味わうベーカリーのラミントンは、暮らすように旅するという感覚を思い出させてくれる大切な存在になりました。
カプチーノで始まる、オーストラリアの朝時間

オーストラリア滞在中、私が毎日のように頼んでいたのはカプチーノです。
密かな楽しみだったのは、ふわふわのフォームをスプーンですくって口に入れることでした。エスプレッソの香りとミルクの泡のバランスが絶妙なのです。さまざまなコーヒーメニューがありますが、私はついカプチーノを選んでしまいました。
ローカルなカフェで日常の一杯として楽しむカプチーノ。朝の始まりを知らせ、心を落ち着けてくれる存在でした。
家庭のティータイムで感じた、豊かさと心地よさ

カフェに出かけなくても、家で楽しむティータイムが、オーストラリアでは当たり前です。
ティータイムの時間になると自然と紅茶を淹れます。テラスで風や鳥の声を聞きながらひと休みする時間は、至福のリラックスタイムです。お茶のおともがシンプルなケーキやクッキーでもいいのです。その時間に流れる空気が心を豊かにしてくれるのです。この時間の過ごし方は、日本では味わえない豊かさを実感した体験でした。
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まとめ:観光よりも心に残った、甘くて温かなオーストラリアの記憶

オーストラリアのカフェ文化やスイーツは、都会の洗練されたものだけではありません。地元の人々の暮らしの中にこそ、豊かでやさしい魅力が詰まっています。観光名所では味わえないような小さな幸せの連続は、どこまでも自然体でした。そしてどこか懐かしくて、とても温かいものでした。あなたも「溶け込むように楽しむ、至福のひととき」を体験してみてはいかがでしょうか。
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