オーストラリア人の日本食事情

海外でも人気が高い、日本食のラーメン。

日本とオーストラリア。言葉や文化は違っても「食」を通して通じ合える瞬間がたくさんあります。私がオーストラリアに滞在していたとき、よく言われたのが「日本のごはん、食べてみたい!」「日本食を作って!」でした。想像以上に多くのオーストラリア人が、さまざまな日本食を楽しんでいます。私の方が「えっ、それ知ってるの!?」と驚かされたこともあります。ここでは、オーストラリアでの日本食事情を、実際の体験を交えながらご紹介します。

オーストラリアのおすすめグルメを知りたい方はこちらを参考にしてください。

目次

寿司はすっかり「国民食」⁉

「SUSHI」は、オーストラリアでも馴染みの存在になっています。日本食の中で一番浸透していると言ってもいいかもしれません。
ただし、オーストラリアではロールスタイルの寿司が主流です。カリフォルニアロールやアボカド巻き、海老天巻き、クリームチーズ入りなど、かなりアレンジされています。日本のような生魚の握り寿司を見ることはほとんどありません。


生魚の寿司が一般的ではない背景にはいくつかの理由があります。
オーストラリアでは「生の魚を食べる」という習慣があまりありません。魚は基本的に火を通して食べる文化が根づいています。
また、鮮魚の流通や衛生面での規制が厳しい事情があります。そのため特に内陸部では新鮮な生魚を安定して仕入れるのが難しいという背景もあります。
そのため、手軽で安全に楽しめる巻き寿司スタイルが広まりました。そして定番化していったという流れがあります。
今では、手軽でヘルシーな日本食として定着しています。ColesやWoolworthなどのスーパーやフードコートでも「SUSHI」をよく見かけます。

ラーメンブームは本物!

ここ数年、オーストラリアではラーメンの人気が急上昇しています。都市部には本格的なラーメン専門店も増えています。
人気が高いのは、濃厚なとんこつ系のラーメンです。クリーミーでコクのあるスープは、オーストラリアの人たちの舌にもぴったりのようです。ラーメンと一緒に餃子や唐揚げをセットで注文するスタイルも人気です。「ラーメン=日本のソウルフード」というイメージが少しずつ根付いているのを感じます。

私のパートナーは醤油とんこつの太麺にチャーシューを増量するのが大好きです。塩ラーメンや醤油ラーメンは「さっぱりしすぎて物足りない」と感じるようです。ラーメンひとつとっても、食に対する志向の違いが出て面白いなと感じます。

抹茶はオーストラリア女子のハートをつかんだ!

抹茶は、健康志向&ナチュラル志向のオーストラリア人女性に大人気です。
日本と同様、スイーツとしての人気が高く、ここ数年で一気に市民権を得たように感じます。抹茶ラテ、抹茶アイス、抹茶マフィン…。どれも「Matcha」という名前で親しまれています。カフェのメニューに並んでいるところもあります。「苦味があるから美味しい」と理解されているのが日本人としては嬉しく感じます。
とは言え、「抹茶=グリーンのヘルシーでおしゃれなドリンク」という印象が強いです。よって、本格的な抹茶を点てていただくスタイルは、まだまだ知られていません。

オーストラリアのカフェ文化とスイーツについて知りたい方はこちらもお読みください。

唐揚げは「魔法の料理」だった

私がオーストラリアに滞在していた時、一番リクエストされた料理が「唐揚げ」でした。
唐揚げはKaraageと書くので「カラージェ」と呼んでいる人もいます。
ある日、夜のファミリーディナーのために唐揚げを作っていた時のことです。揚げるそばからなくなり、ディナーにはほとんど残っていなかったこともあります。義妹は唐揚げを一口食べて「人生で一番美味しいチキン!」とまで言ってくれました。一時は毎日のように唐揚げを揚げていたので「Karaage Fairy」とあだ名をつけられそうになりました。
唐揚げの魅力は、老若男女問わず「わかりやすく美味しい」ということです。「味が濃くて、揚げてあって、ご飯に合う!」というストレートな魅力は万国共通なのかもしれません。

実は注目株?まだまだある日本の人気メニュー

寿司やラーメンに比べるとメジャーではないけれど、じわじわ人気が出てきている日本食もいろいろあります。
たとえば、餃子は「dumpling(ダンプリング)」という名前で広く知られています。日本式の焼き餃子も人気です。アジアンマーケットでは冷凍餃子がよく売れています。
照り焼きチキンも定番中の定番です。オーストラリアでは「Teriyaki Sauce」がスーパーで買えるほどポピュラーです。
ほかにも、アジアンフェスで人気屋台のたこ焼き、healthy soupとしてじわじわ人気が出ている味噌汁、食べやすさで人気のおにぎりなど、日常に溶け込む形で少しずつ広がっている日本の味があります。


そして、忘れてはならない「納豆」は、チャレンジ系食材として知られています。ヘルシー志向の強いオーストラリア人の中には「匂いはNGだけど、体にいいなら我慢して食べる」という人もいるので、ひそかな注目食材かもしれません。ちなみに私のパートナーは納豆ごはんが大好きですが、こんにゃくは苦手です。

食文化の違いを超えて、心がつながる

オーストラリアの人たちと食を囲んでいて感じたのは、「おいしい=嬉しい=つながる」というシンプルな喜びでした。
オーストラリアでは、食事中にたくさん話したり、笑い合ったり、「シェアすること」がとても大切にされている印象を受けました。私が日本の家庭料理を作ってふるまうと、「どうやって作るのか見せて!」「日本では毎日こんなご飯なの?」と興味を持ってくれ、そこから自然と会話が広がっていきました。食べ物はただの栄養ではなくて、「文化」や「思い出」、そして「心」を伝える手段なのだと、改めて感じました。

まとめ:おいしさは国境を越える

オーストラリアでは、日本食が多くの人に愛されています。 寿司やラーメン、抹茶、唐揚げだけでなく、日本ならではの細やかな味わいや家庭のぬくもりが、遠く離れた国にも届いているのはとても嬉しいことです。全てのものが同じように受け入れられるわけではありませんが、「なんだか面白そう」「ちょっと試してみたい」という興味から始まる文化交流は、とても温かく楽しいものです。食を通してお互いの違いを楽しみながら、「おいしいね!」の一言でつながれる世界を広げていかれたら素敵ですね。

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この記事を書いた人

日本とオーストラリア、二つの国に縁を持つWebデザイナー兼ライター。
オーストラリア人のパートナーとともに、多文化な価値観に触れる日々を送りながら、三人のティーンエイジャーの母としても奮闘中。
このブログ「Two Country Life」では、実体験をもとに、日本とオーストラリアの暮らしや文化の違いを発信し、異文化理解の架け橋となることを目指しています。

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