日本とオーストラリアの働き方の違い10選

女性がグループでビーチで休暇を楽しみ、ライフワークバランスを取っている。

日本とオーストラリアでは、仕事に対する価値観や職場文化が大きく異なります。ここでは「やりがい」「休暇の取り方」など、10のテーマで両国の働き方を比較します。異文化の視点を通じて、自分らしい働き方を考えるヒントになれば幸いです。

目次

働き方の違いが人生観にも影響する時代

働き方に対する価値観は、国や文化によって大きく異なります。特に日本とオーストラリアでは、「何のために働くのか」「どのように働くのか」という根本的な意識にギャップがあります。コロナ禍以降の日本では、リモートワークやワーケーションといった新しい働き方が注目される中、「もっと自分らしい働き方をしたい」と感じている人も多いのではないでしょうか。

やりがいの捉え方の違い

日本では、組織への貢献や周囲からの評価がやりがいにつながります。一方、オーストラリアでは自己実現や生活との調和が重視されます。働きやすい職場で自分らしく過ごしたいとと考える人が多いのが特徴です。
日本は働く目的が「他者の期待」。オーストラリアは「自分の満足」。こうしたやりがいの捉え方の違いが、職業選びにも反映されています。

ワークライフバランス

夫婦と幼い娘がポップコーンを食べながら家族との時間を楽しんでいる。

日本は仕事中心の生活になりがちで、定時退社に罪悪感を覚える人も少なくありません。
一方オーストラリアでは、家族との時間や休息が優先され、定時退社が当たり前。仕事と生活のバランスを大切にする考えが根付いています。ワークライフバランスが取れていることが、心身の健康や仕事のパフォーマンスの向上に繋がるという考えが社会全体に浸透しています。

ライフスタイルと働き方の違いを詳しく知りたい方はこちらの記事も参考にしてください。

上下関係

上司と部下が向かい合って話し合いをしている。

日本では年齢や役職による上下関係が強く、上司への配慮が求められます。
一方、オーストラリアでは関係がフラットです。そのため上司にもファーストネームで呼びかけます。信頼関係の中で自律的に仕事を進めるスタイルが根付いています。そのため、個々の意見やアイディアが尊重されやすく、働きやすさにもつながっています

コミュニケーションスタイル

円坐に座り、ボディランゲージを用いコミュニケーションを取っている。

日本では、あいまいな表現や遠回しな表現、空気を読むことが重視され、相手への配慮や和を乱さない会話が求められます。率直な意見や反論は避けられがちで、間接的な表現を通して意思を伝えることが多いです。

一方、オーストラリアではストレートで率直なコミュニケーションが一般的です。自分の考えをはっきり言うことが好まれ、曖昧な表現はかえって誤解を招くこともあります。
私自身、パートナーを傷つけたくない一心で、日本人として自然に使っていた遠回しな表現で気持ちを伝えたところ、逆にけんかになってしまった経験があります。それ以来、相手を信じて、素直に気持ちを伝えるように心がけています。

休暇の取り方

休暇を取って海辺で心身をリフレッシュしている女性。

日本では、有給休暇を取得することに対して遠慮や罪悪感を持つ人が少なくありません。周囲への気配りや「自分がいないと迷惑がかかる」という意識が強く、長期休暇をとるのは難しい職場も多いです。
一方、オーストラリアでは「休むこと」は当然の権利とされています。そのため、バケーションは毎年計画的に取るのが一般的です。

実際、私のオーストラリア人のパートナーも、年に一度は10日間ほどの休暇を取ります。そして、故郷のオーストラリアに帰省します。また、日本国内でロードトリップを楽しんだりもします。さらに、ちょっとした旅行のために平日に2日ほど休みを取ることもあります。こうした長期休暇は、日本で働いてきた私にとっては最初は信じられないものでした。しかし彼にとっては当然の習慣です。心身をリフレッシュし、より良いパフォーマンスで仕事に戻るためには休暇が必要なのです。この価値観の違いには正直カルチャーショックを受けました。しかし、「休むことは怠けることではなく、自分を整える時間。」という考え方に今は共感しています。

残業に対する考え方

日本では残業が「頑張り」の証とされがちです。しかし、オーストラリアでは効率よく働くことが評価されます。長時間労働は逆に非効率と見なされ、パフォーマンスが低いとみなされます。成果や結果に重点が置かれているのがオーストラリアの特徴です。

転職・キャリアアップ

日本では長く勤めることが評価されやすく、転職はネガティブに捉えられがちです。
一方、オーストラリアでは、キャリアや生活の変化に応じて転職することは、前向きな選択肢として受け入れられています。よって転職はごく自然なキャリア形成の一部とされています。

副業・フリーランスの考え方

余暇時間にカフェで副業をしている男性。

日本では副業への理解が徐々に進んでいるものの、まだ慎重な姿勢の企業が多いです。
一方、オーストラリアでは複数の仕事を持つことは一般的です。生活スタイルや自己表現の手段として複数の働き方を組み合わせる人が多いのが特徴です。ひとつの仕事に縛られないという柔軟な発想が、個々の自由な生き方を支えています。

服装や身だしなみ

日本ではオフィスの服装に厳しい暗黙のルールがあります。特にオフィスではスーツ着用が基本とされることもあります。個性より、清潔感や常識、統一感が重視されます。
一方オーストラリアでは、見た目より中身が重視されます。職場にも多様性があり、カジュアルな服装も許容される傾向にあります。

会社への忠誠心

日本では、会社に対する忠誠心や「一つの場所に長く勤めること」が美徳とされています。自分の意見よりも組織の方針を優先する傾向があります。会社のために尽くすことが評価されるのです。

一方、オーストラリアでは「まず自分の人生を大切にする」ことが基本の価値観です。会社はあくまで自分の生活を支える手段です。そのため無理をしてまで組織に合わせるという発想は少ないです。自分の時間、価値観、健康を守ることが第一なのです。必要なら職場を変えるという選択もためらいなく行います。これは、個人の生き方を尊重する社会風土が根底にあります。

まとめ

日本とオーストラリアの働き方の違いは、単なる職場ルールの違いではありません。人生に対する考え方の差でもあります。他国の価値観を知ることで、自分が本当に望む働き方を考えるきっかけにしたり、視野を広げるきっかけにしてみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人

日本とオーストラリア、二つの国に縁を持つWebデザイナー兼ライター。
オーストラリア人のパートナーとともに、多文化な価値観に触れる日々を送りながら、三人のティーンエイジャーの母としても奮闘中。
このブログ「Two Country Life」では、実体験をもとに、日本とオーストラリアの暮らしや文化の違いを発信し、異文化理解の架け橋となることを目指しています。

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