日本とオーストラリアの家の造りと住み方の違い

広い敷地に建つ、オーストラリアの平屋の家。

家は、単なる寝起きの場所ではなく、その国の文化や価値観を映し出すものです。日本とオーストラリアでは、住宅の構造や広さ、暮らし方に多くの違いがあります。ここでは、それぞれの住まいの特徴を比較しながら、生活スタイルにどんな影響を与えているのかをご紹介します。

日本とオーストラリアの住まいとライフスタイルとの関係の違いを知りたい方はこちらもお読みください。

目次

住宅の構造と広さの違い

家の広さや間取りは、その国の土地事情や暮らし方を映し出す要素です。国土が狭い日本では、限られた敷地を効率よく使う工夫が凝らされています。一方で、オーストラリアでは広い敷地を活かした開放的な住宅が一般的です。それぞれの違いから、暮らし方や家族との関わり方にも異なる価値観が見えてきます。

日本の住宅はコンパクトで機能的

日本の都市部では、限られた土地を効率的に使う必要があります。そのため、3LDKや狭小住宅などコンパクトな住まいが主流です。部屋数や間取りも機能性や効率を重視して設計されています。

オーストラリアの家は広々・開放的

オーストラリアでは土地が広く、一戸建ての4ベッドルーム+2バスルームといった間取りが一般的です。キッチンとリビングが一体化した「オープンプラン」も多く、家族や友人との時間を大切にする文化が反映されています。

気候に合わせた建築スタイル

住宅の設計には、その土地の気候が大きく影響します。オーストラリアでは強い日差しや高温に対応した風通しのよい開放的な造りが主流です。一方、日本では四季を通じて快適に過ごせるよう、断熱性や気密性が重視されています。それぞれの気候に合った建築スタイルには、暮らしの知恵が詰まっています。

風通し重視のオーストラリア住宅

高い天井や広い窓、ベランダ、テラスなどが特徴的です。夏の強い日差しを遮りながら風を取り込む工夫がされており、屋外と一体化した暮らしが根付いています。
私が現地を訪れた際にも、1階のテラスや庭のガーデンテーブルでお茶を楽しむ家族の姿がとても印象的でした。朝食を外で食べるなど、自然を取り入れた暮らし方が根付いており、気候を味方にした快適な住空間が広がっていました

断熱性能を重視する日本の住宅

四季の寒暖差がある日本では、断熱性や気密性が重視されます。冬の暖房効率を高めるための構造や、湿気対策も考慮されています。

収納スペースとガレージの違い

日々の暮らしや家の快適さを左右するのが、収納スペースや駐車場の有無といった余白の部分です。日本では限られた空間を有効に使う収納の工夫が求められますが、オーストラリアでは収納も車庫も広々と確保されています。家の中の見えないスペースの違いから、暮らしに対する価値観の違いが垣間見えます。

日本は収納工夫が暮らしの鍵

限られた空間を活用するため、押し入れやタンス、収納ベッドなどの工夫が求められます。ガレージのある家は一部に限られます。

オーストラリアは収納も車もゆとりあり

大容量のウォークインクローゼットや物置付きガレージが一般的です。また、2台以上の車を収納できる家も珍しくありません。暮らし全体に余裕を感じられます。

靴を脱ぐ文化の違い

玄関で靴を脱ぐかどうか――これは日常の小さな習慣のようでいて、住宅設計や清潔観、さらには人との距離感にも関わる文化の違いです。日本では靴を脱いで室内を清潔に保つスタイルが定着しています。しかし、オーストラリアでは靴のまま室内に入る家庭も少なくありません。こうした習慣の違いは、暮らしの随所に影響を与えています。

日本では「玄関」が住宅設計の要

靴を脱ぐ文化がある日本では、玄関に段差や下駄箱が備えられています。これは床を清潔に保つという文化的背景が影響しています。靴を脱ぐことは来客時のマナーとしても根付いています。

オーストラリアでは靴のまま室内へ

多くの家庭で靴を履いたまま室内で過ごします。そのため、玄関に靴を脱ぐスペースはないことが一般的です。靴を脱ぐかどうかは各家庭のルールによります。外と中の境界が日本ほど明確ではありません。

まとめ

日本とオーストラリアの住宅は、構造や暮らし方、文化的価値観まで大きく異なります。住まいは文化を映す鏡です。家の設計や住まい方を通じて、どんな生活が自分に合っているのかを見つめ直すヒントになるかもしれません。

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この記事を書いた人

日本とオーストラリア、二つの国に縁を持つWebデザイナー兼ライター。
オーストラリア人のパートナーとともに、多文化な価値観に触れる日々を送りながら、三人のティーンエイジャーの母としても奮闘中。
このブログ「Two Country Life」では、実体験をもとに、日本とオーストラリアの暮らしや文化の違いを発信し、異文化理解の架け橋となることを目指しています。

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