英語の先生を探していたら、人生のパートナーに出会ってしまった話

手をつないでビーチを歩くカップル。

10年前、私は人生のどこかで「もう一度英語をきちんと学びたい」と思っていました。そして、インターネットで英語の先生を探し始めました。まさかその先に人生のパートナーが待っているとは知らずに。
日本とオーストラリアという文化の違いに戸惑いながらも、私たちは出会い、恋に落ち、そして何度もぶつかってきました。
このシリーズでは、そんな私たちがどうやって乗り越えてきたかを、正直に綴っていきます。

英語の先生を探していたら、恋に落ちてしまった

ソファーでコーヒーを飲みながらノートパソコンで音っとわーふぃんを楽しむ女性。

私の夢は「国連で働くこと」でした。英語のほかに、国連の公用語を一つでも多く学びたいと思い、2年間フランス語を学びました。しかしながら、フランス語を活かす機会に恵まれず、社会人になるとフランス語はどんどん遠ざかってしまいました。そして日に日に英語の重要性を実感するようになりました。人生100年時代、もっと自分の世界を広げたいと思い、英語の先生をインターネットで探し始めました。たまたま見つけたのがオンラインで英語を教えてくれるプラットフォームでした。気軽な気持ちで登録し、いくつかやりとりをする中で、今のパートナーと出会いました。

最初は、英語でのやりとりに不安がありました。しかし彼の言葉の端々に滲むユーモアや、オーストラリアという国の文化の違いに、私はどんどん興味を持っていきました。そしていつの間にか、毎日のメッセージ交換が待ち遠しくなるようになっていったのです。

初めての衝突は“男友だち”との距離感

付き合い始めてから最初にぶつかったのは、「男友だちとの付き合い方」についてでした。
私は弟が2人いる姉で、昔から男の子とも分け隔てなく接してきました。そのため、「男友だちと2人」という状況に、特別な意味を持ったことはありませんでした。むしろ普通のこと、当たり前のことだと感じていたのです。

しかし、彼にとってそれは理解できない行動でした。
オーストラリアでは、カップルは基本的にペアで行動するという文化があります。友人との集まりでも、恋人やパートナーを連れてくるのが一般的です。そのため、異性と2人=特別な関係と受け取られてしまうことが多いのです。
彼は「浮気では?」と強く疑い、私は「なんでそんなふうに思うの?」と反発しました。
この時、私たちは「何を普通と感じるか」の根本的な違いに、初めて真正面からぶつかったのです。

私の中の“当たり前”が少しずつ変わっていった

ビールを片手に乾杯をする人々の手。

最初の頃。私の友人との場に、彼が当たり前のように同席してくることに、正直戸惑いを感じていました。
「どうしていつも一緒に来たがるの?」「たまには1人で行きたいのに。」と、息苦しく感じることもありました。

けれど、何度も話し合う中で、彼が大切にしているカップルとしてのあり方を理解するようになっていきました。
私の「男女の友情はあり得る」という価値観と、彼の「パートナーに対してはオープンであるべき」という価値観は、決してどちらが正しい・間違いではありません。ただ、文化の違いから生まれる視点の差だったのです。

それから私は、彼の考え方に少しずつ慣れていき、気づけば私自身がカップルで行動するスタイルに自然と馴染んでいました。今では、男性の友人と2人きりという状況になることはありません。また、彼が一緒に来ることにも何の違和感も感じていません。きっと私の中に、オージー文化がしっかり根づいてきたのでしょう。

違いがあるから、今がある

海の波際で手をつなぎ夕日を見るカップル。

正直、「やっぱり異文化同士は分かり合えない。」「この人とは価値観が合わないかもしれない。」と悩んだこともありました。今振り返ると、あの衝突があったからこそ、私たちはお互いの土台を知ることができました。そして、深く理解し合うきっかけになったのだと思います。

文化の違いは、時に誤解を生みます。でも、それを乗り越えるプロセスには、たくさんの気づきと成長があります。
「違うからダメ」ではなく、「違うからこそ話し合う」「違うからこそ相手をもっと知りたい」。
そう思えるようになったのは、彼と10年かけて関係を築いてきたからです。

これからも、すれ違うことはあるでしょう。
でも、価値観のズレを責めるのではなく、違いを「ふたりの面白さ」として受け入れていけたらいいなと思っています。

続編はこちらをお読みください。

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この記事を書いた人

日本とオーストラリア、二つの国に縁を持つWebデザイナー兼ライター。
オーストラリア人のパートナーとともに、多文化な価値観に触れる日々を送りながら、三人のティーンエイジャーの母としても奮闘中。
このブログ「Two Country Life」では、実体験をもとに、日本とオーストラリアの暮らしや文化の違いを発信し、異文化理解の架け橋となることを目指しています。

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