「ランチを食べたあと、どうしてこんなに眠くなるんだろう」そんなふうに感じたことはありませんか?実はその原因のひとつに、日本とオーストラリアの「食べ方の違い」が関係しているかもしれません。
日本では、朝・昼・夜の3食をしっかり食べる文化が根付いています。一方オーストラリアでは、朝食もランチも比較的軽め。その代わり、10時と15時に軽く何かを口にする「ちょこちょこ食べ」が日常に組み込まれています。この習慣の背景にあるのが、イギリス文化の影響を受けたモーニングティーです。実はこの文化があることで、ランチの役割そのものが日本とは大きく変わっています。「もしかして、日本は食べ過ぎなの?」そんな視点から、ここでは両国の食習慣を比べてみます。
オーストラリアでは「ちょこちょこ食べ」が普通

オーストラリアの食生活を一言で表すなら、「一度にたくさん食べない」スタイルです。多くの人は、朝食は軽めに摂り、10時ごろにモーニングティーで軽いスナックを食べます。そしてランチはサンドイッチやサラダなどの軽食で15時ごろにアフタヌーンティー、夜は19時前後にディナーといったリズムで1日を過ごします。
私のパートナーもまさにこのタイプで、いつも何か少しずつ食べています。パフォーマンスが低下してくると「そろそろ何か食べた方がいいみたい」と空腹になりすぎる前にチョコレートやナッツを少量補います。そのため、1回の食事に重さを求めません。
モーニングティーがあるから、ランチは軽くていい
モーニングティーは間食ではなく生活の一部
日本語にすると「おやつ」や「間食」と訳されがちなモーニングティーですが、オーストラリアでは少し意味合いが違います。学校や職場、現場仕事でも、モーニングティーは最初から1日のスケジュールに組み込まれた休憩で、集中力を保つためのリズム調整の時間として扱われています。だからこそ、罪悪感なく何かを口にできるのです。
集中力を保つための食事という考え方

この考え方を象徴する出来事があります。
私のパートナーが学校でALTとして働いていた時のことです。ある生徒が、朝食を抜いてきたため元気をなくし、授業に集中できない様子だったそうです。そのとき彼は、「5分あげるから、お弁当を食べなさい」と声をかけ、実際に食べる時間を取らせました。すると生徒は少しずつ表情が明るくなり、その後の授業にも集中できるようになったといいます。日本人の先生にはありえない風景なので、私は強く印象に残りました。しかし、出来事はオーストラリア人の食事に対する価値観を教えています。オーストラリアでは、食事は決まった時間に必ず取るものではなく、集中力やパフォーマンスを保つために必要な行動として捉えられているということがわかります。
モーニングティー文化も、こうした考え方の延長線上にあります。
空腹で集中力が落ちる前に、少し補給する。その積み重ねが、ランチを軽くし、1日の食事を分散させる生活リズムを作っているのです。
ランチはメインの食事ではない
モーニングティーがある前提の生活では、ランチは1日の中心ではありません。あくまでエネルギーをつなぐための一食です。そのため、食べ過ぎないこと・午後に眠くならないこと・胃に負担をかけないことが重視されます。
オーストラリアのランチが軽いのは、健康意識の高さというよりも、1日の食事全体を分散させている結果と言えるでしょう。
日本はなぜ3食すべてが重くなりやすいのか
食事=区切り・イベントという意識
日本では、食事は単なる栄養補給ではなく、生活の区切りとしての意味を持ちます。朝は一日の始まり。昼は仕事や学校の合間の大切な休憩。夜は一日の締めくくり。そのため、3食すべてを「ちゃんと食べる」ことが安心につながります。
10時・15時のおやつが広がらなかった理由
日本にも、10時や15時に何かを食べる文化はあります。ただし、それは主に現場職や農作業、高齢者の生活に限られてきました。なぜなら、デスクワーク中心の社会では、「仕事中に食べる=だらしない」という無意識の価値観が残っているからです。その結果、間に何も食べず、ランチにエネルギーを集中させる形になりやすいのです。
「ちょこちょこ食べ」が合う人・合わない人
オーストラリア式の食べ方は、誰にでも合うわけではありません。自分がどちらに当てはまるかチェックして参考にしてください。
合いやすい人
- ランチ後に強い眠気を感じ、ランチ前よりパフォーマンスの低下を感じる
- デスクワークが中心
- 体調やホルモンバランスの変化を感じている
- 小食で、一度にたくさん食べるのがつらい
合いにくい人
- 1日中動き回っていたり、体力仕事が多い
- 食事管理が苦手で回数が増えると乱れやすい
- しっかり食べないと力が出ないタイプ
日本とオーストラリアの中間という選択肢
実際に私自身は日本とオーストラリアの中間のようなスタイルに落ち着いています。朝は軽めに摂り、10時のモーニングティーでナッツバーかクッキーを紅茶と一緒に摂ります。昼は日本式のお弁当、15時にティータイムで紅茶。夜食は軽めといった感じです。3食を大切にしつつ、間に小さな休憩を挟む。このハイブリッド型は、無理なく続けやすいと感じています。
食後に眠くなる原因の一つに、血糖値の急上昇が関係していると考えられています(参考:ハーバード大学医学部)。このハイブリット型を取り入れると眠くなりにくいので、私の場合は「3食しっかり型」より1日のパフォーマンスが良いです。
まとめ:モーニングティーは食文化のスイッチ
モーニングティーは、単なるお茶の時間ではありません。それは、1日の食事バランスを決めるスイッチのような存在です。オーストラリアでは、そのスイッチがあるからこそ、ランチは軽く、生活全体がリズムよく回っています。
日本ではスイッチが少ない分、1回の食事に多くを求める傾向があります。しかし、日本も食べ方の選択肢がもっとあってもいいのではないかと感じるのです。
モーニングティー文化を知ることは、自分の暮らしを見直すヒントになるかもしれません。
この記事は筆者の体験と公開情報をもとに作成しています。食習慣には個人差があります。

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