オーストラリアの広大な自然の中を走るドライブは大きな魅力です。しかし同時に「野生動物との衝突リスク」という大きな危険も潜んでいます。私は、ケアンズからブリスベンまで2000kmを走行中、夜間に小動物と衝突してしまいました。幸い大事故には至りませんでしたが、その経験を通して、車は単なる移動手段ではなく「命を守る道具」だと実感しました。ここでは、体験談とともに、動物が飛び出す可能性のある道での運転の注意点と対策をお伝えします。
オーストラリアでのドライブに潜む野生動物との衝突リスク
野生動物は想像以上に多い
オーストラリアでは、夜間や早朝に動物が道路沿いに出てくることがよくあります。実際に早朝にドライブすると路肩には車と接触した相当数のカンガルーを目にします。州政府のデータによると、交通事故の約5件に1件が野生動物関連という報告もあります。衝突事故の原因は、カンガルー・ワラビー・ポッサム・エミュー・牛や羊などです。
カンガルー除け(roo bar)がない車の危険性
日本では4WDの車にアクセサリーとして金属製のカンガルーバーをつけている人がいます。しかし、オーストラリアでは車を守るための衝突防護装置として実際に機能しています。
旅行や短期滞在の場合、レンタカーを利用することになりますが、ほとんどのレンタカーにカンガルーバーは装備されていません。そのため、軽い衝突でもフロント部分が全損するケースがあります。
実体験:ケアンズからブリスベン走破で起きた夜間の接触

出発の遅れと夜間走行の危険
その日は朝9時には次の目的地への移動を開始する予定でした。しかし、義父の対応に時間を取られてしまい、予定より7時間遅れて出発となりました。次の目的地までは8時間の移動だったため、夜間も走行することになってしまいました。真っ暗な中でライトに照らされた道を走るだけでも、緊張の連続でした。
小動物との接触とその被害
突然、小さな茶色い動物が飛び出してきて、接触しました。幸い人や車の大破は免れましたが、バンパー片側が全損しました。夜間は大型トラックが先を急いでいることが多く、その時も私の後続車は大型トラックでした。後続車への影響を考え、停まるという選択肢はありませんでした。
ブレーキを踏まずに突破するという判断
オーストラリアでは、急ブレーキによる後続車との衝突が、より重大な事故を招くため、「動物に当たってもブレーキは踏まない」というのが現地の鉄則です。私はパートナーから「何かに当たっても絶対にブレーキは踏まないこと」を叩きこまれていましたが、その助言がなければ、もっと危険な結果になっていたかもしれません。
野生動物が出る道での運転注意点と対策

1. 夜間・早朝の走行を避ける
動物の活動が活発な時間帯は、夕暮れ〜夜明け前です。ドライブをするなら日中に移動を終えるようスケジュールを組むのが基本です。
2. ハイビームを上手に使う
対向車がいない時はハイビームを活用し、早めに動物を発見できるようにします。目の反射を見つけたら、後続車に留意しながら減速します。
対向車が来たらロービームにしてください。特にトラックは、この気遣いにとても敏感で、ハイビームのままにしてしまうと目が眩むほどのハイビームで返してきます。
3. 速度を落として余裕を持つ
制限速度が100km/hでも、夜間は80km/h以下を目安にすることをおすすめします。スピードを落とすだけで事故リスクは大きく下がります。追い越し車線(Over take zone)を上手く利用して、トラックなど運転に慣れているドライバーの迷惑にならないように道を譲るのが暗黙のマナーです。
4. 衝突時の判断
動物が飛び出しても急ハンドル・急ブレーキは禁物です。安全を最優先し、できるだけ直進を保って通過するのが基本です。後続車と衝突するリスクの方がはるかに高いということを頭に叩き込んでおきましょう。
5. 保険内容を必ず確認
レンタカー契約時に「wildlife collision(野生動物衝突)」がカバーされているか確認しましょう。多くの基本プランでは対象外です。可能ならば特約を付けることをおすすめします。保険に入っていない時に限って衝突事故は起こるものです。
車は「命を守る道具」へと意識を変えよう
体験が教えてくれたこと
それまでの私は、車は「人や物を運ぶ交通手段」という概念でした。しかし、広大なオーストラリアの自然の中で事故を経験して、車は「命を守る盾」だと気づかされました。小動物でも車が大きく損傷する現実を見て、運転に対する意識が大きく変わりました。
安全運転が旅の自由を守る
安全を最優先に行動することで、初めて自由な旅を楽しめます。自然を尊重し、慎重に運転することがオーストラリアを走る上での最大の心得です。
土地が広く、道がどこまでも続くため、運転していると気持ちが大きくなってしまいがちですが、オーストラリアでのドライブは日中と夜の風景が全く違うことを忘れずに、時間に余裕を持ったスケジュールを組むことが大切です。
まとめ
オーストラリアのドライブは開放感や美しい風景を楽しめる反面、野生動物との衝突リスクが常に隣り合わせです。ブレーキを踏まず命を守る判断、そして事前の準備と保険確認が、安全な旅の鍵になります。
ぜひ、オーストラリアでドライブを楽しんでくださいね!
この事故には、実は「その後」がありました。
レンタカー返却後、レンタカー会社から高額請求が発生したのです。
▶︎ オーストラリアで野生動物と接触!その後高額請求が届いた話
