「オーストラリアの家は広い」そんなイメージを持つ方は多いかもしれません。しかし実際に現地の暮らしに触れて感じたのは、家の広さ以上に屋外で暮らす文化が根付いているということでした。私が滞在した友人宅には屋根付きのデッキテラスがありました。そして朝になると、鳥のさえずりを聞きながら外で朝食をとるのが日課でした。ベジマイトトーストと目玉焼きというシンプルな食事。でも、澄んだ空気と自然に囲まれた時間は、日本では味わったことのない特別な朝食になります。さらに驚いたのは、屋外で過ごす習慣が家庭だけではありませんでした。学校のランチ文化にも表れていたことです。
ここでは、実際の体験をもとに、日本とオーストラリアの住宅文化とライフスタイルの違いを紹介します。
屋根付きデッキがもう一つのリビングになるオーストラリアの家

私の友人宅は戸建て住宅で、リビングからそのままつながる形で屋根付きのデッキテラスが設けられていました。キッチンと屋外空間の距離が近く、料理を運ぶのも自然な動線になっています。
このデッキテラスは、単なる屋外スペースではありません。食事をする場所であり、家族や友人と会話を楽しむ場所であり、時には読書や休憩をする場所でもあります。まさに、もう一つのリビングのような存在でした。
特に印象的だったのは、屋根があることで日差しの強い日でも、小雨が降っても問題なく過ごせる点です。日差しが非常に強いオーストラリア。屋根付きの屋外空間があることで、外で過ごす時間が日常生活に組み込まれているのだと感じました。
朝になると友人は庭に咲く花を眺めたり、訪れる鳥を観察したりしながら、ゆっくりと朝の時間を過ごしていました。私たちもその習慣に加わり、湖を眺めながらデッキテラスで朝食を楽しみました。鳥のさえずりが自然のBGMとなり、風が木々を揺らす音が静かに響く空間は、日本ではなかなか味わえない贅沢な時間でした。
なぜオーストラリア人は屋外で食べるのか

オーストラリアでは、屋外で食事をする文化が日常に根付いています。その背景には、気候や土地の広さ、そしてアウトドア文化の影響があると感じました。
温暖で過ごしやすい気候の地域が多く、屋外で過ごすことが生活の一部になっています。また、日本に比べて住宅の敷地が広く、庭やテラスを設けやすい環境も、屋外文化を支えている要因の一つでしょう。
実際に、友人宅だけでなく親戚の家を訪れた際にも、広いベランダにソファセットが置かれていました。その日は屋外に設置された手作りのピザ窯で焼いたピザを囲み、家族や親戚と会話を楽しみました。特別なイベントというよりも、日常の延長にある時間だったのが印象的でした。
オーストラリアでの食事は、人と自然をつなぐ時間として捉えられているように感じます。
学校のランチ文化にも表れる屋外空間重視の価値観

屋外で過ごす文化は、家庭だけでなく学校生活にも表れています。
日本の小学校では、給食を教室で食べるのが一般的です。昼食時間になると配膳が行われます。そして、席についてみんなで同じメニューを食べるスタイルが当たり前になっています。
一方オーストラリアでは、昼食は持参します。サンドイッチやフルーツなどを芝生やベンチなど屋外で食べるのが一般的です。
オーストラリアの人にとって、日本の子どもたちが教室で給食を食べている風景は、ある意味不思議に映るようです。オーストラリアでは、学校でも、屋外で過ごすことが自然に生活の中に取り入れられています。こうした点にも、空間に対する価値観の違いを感じました。
まとめ:屋外で暮らす文化が生む心の余裕
オーストラリアで過ごした時間の中で、最も印象に残っていること。それは、屋外空間が生活の一部として当たり前に存在していることでした。
庭の芝生にスプリンクラーで水をまき、芝刈り機で芝を整える様子も日常の光景です。装飾のために手入れをするのではありません。家族や友人が集まり、くつろぐ場所として大切にされているのです。
花を観察し、鳥の声に耳を傾け、風の音や木々の揺れる気配を感じながら過ごす時間。それは、心をゆっくりと落ち着かせてくれました。日本では家の中が暮らしの中心になりがちです。しかし、オーストラリアでは屋外の空間も含めて「家」なのだと感じました。
外で食べる朝食も、ピザ窯を囲む夕方の時間も、豪華な料理があるわけではありません。それでも、自然と共に過ごす時間が、日常を豊かにしているように思えました。住宅の違いは建物の構造だけではありません。価値観やライフスタイルの違いを映し出しているのかもしれません。

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