なぜ日本は「かわいい大国」になったのか?キャラクター文化と少女文化から読み解くKawaiiの歴史

かわいいコアラ3匹

先日、サービスエリアの写真を撮るためにドライブをしていました。車を走らせながら、ふとこんな疑問が浮かびました。「なぜ日本人はこんなにも『かわいい』が好きなのだろう?」

例えば、日本では子どものお弁当をキャラクターの形に作る「キャラ弁」という文化があります。また、多くの女の子は「美しい」と言われるよりも「かわいい」と言われる方が嬉しいと感じることが多いように思います。考えてみると、日本の社会には「かわいい」があふれています。キャラクターグッズ、ゆるキャラ、文房具、ファッション、さらには警察や自治体のマスコットまで、あらゆる場所で「かわいい」が使われています。

この文化はどこから生まれたのでしょうか。
調べてみると、日本のかわいい文化には、古くからの美意識と1970年代に広がった少女文化が大きく関係していることが分かりました。

目次

日本の美意識には「小さくて愛らしいもの」を好む文化がある

日本には昔から、小さく繊細なものに美しさを見出す文化があります。たとえば「和菓子」「豆皿」「根付」「折り紙」「盆栽」。これらはどれも、小さく精巧で、どこか愛らしい形をしています。
欧米では「大きい」「壮大」「豪華」といったものが美しさとして評価されることが多いです。しかし、日本では「小さい」「繊細」「控えめ」といった要素が美しいと感じられてきました。

この感覚は、現代のミニチュア文化やキャラクター文化にもつながっていると考えられます。

「かわいい」は守りたくなる存在

「かわいい」という言葉の語源は「かわゆし(顔映ゆし)」と言われています。意味は「見ていられないほど愛おしい」というものです。つまり、かわいいという言葉にはもともと「守りたくなる存在」というニュアンスが含まれていました。

日本では、人や物を褒めるときにも「かわいい」という言葉がよく使われます。この言葉には、親しみやすい、無害、優しい雰囲気といった意味も含まれています。

威圧感を与える「美しさ」よりも、安心感を与える「かわいさ」が好まれる傾向があるのは、日本社会の価値観とも関係しているのかもしれません。

1970年代に広がった「かわいい文化」

現代の「かわいい文化」が広がったのは1970年代と言われています。
この頃、日本では高度経済成長によって生活が豊かになり、子どもや若者向けの市場が急速に拡大しました。特に女子中高生は、文房具、雑貨、手紙、小物などを購入する大きな消費者層になりました。

そこで企業は、少女向けの「かわいい商品」を作るようになります。この市場を代表する企業の一つが「Sanrio」 です。1974年には、日本を代表するキャラクターであるHello Kitty が誕生しました。丸い顔とシンプルなデザインを持つこのキャラクターは、日本だけでなく世界中で人気を集めることになります。

株式会社サンリオ

女子中高生が生み出した「かわいい文字文化」

1970〜80年代には、女子中高生の間で「変体少女文字」と呼ばれる独特の手書き文字も流行しました。この文字の特徴は、丸い文字、小さい文字、ハートや星の装飾などです。
例えば「あしたテストがある」という文章が、「ぁした☆テストぁる」のように書かれることもありました。当時、教師や大人からは「読みにくい」「日本語を壊す」と批判されることもありました。しかし、女子中高生の間では人気の文化でした。これは、文字そのものをかわいくデザインする「自己表現」でもありました。

つまり、日本のかわいい文化は、企業が作ったものだけではなく、若い女の子たち自身が生み出した文化でもあるのです。

「かわいい」は日本の褒め言葉

日本では、小さい頃から女の子に対して「かわいいね」と言う場面が多いように感じます。そのため、かわいいという言葉には、愛される、守られる、大切にされるというイメージが重なっているのかもしれません。

一方で「美しい」や「美人」という言葉は、どちらかというと成熟した大人の女性に対して使われることが多い印象があります。

こうした言葉の使われ方の違いも、日本の「かわいい文化」を特徴づけている要素の一つだと言えるでしょう。

キャラ弁に見る日本のかわいい文化

日本のかわいい文化を象徴するものの一つが「キャラ弁」です。
キャラ弁とは、お弁当をキャラクターの形に作る文化です。海外では、弁当は食べることが中心で、ここまで見た目にこだわる文化はあまり見られません。しかし日本では、食事の盛り付けや見た目を楽しむ文化が古くから存在します。和食では、季節感や色合いが大切にされます。

キャラ弁は、その延長線上にある、日本らしい食文化の一つと言えるでしょう。

まとめ

日本の「かわいい文化」は、単なる流行ではありません。小さく繊細なものを好む美意識、社会の価値観、そして1970年代に広がった少女文化が重なって生まれたものです。キャラクター文化やキャラ弁、そして少女文字のような文化は、日本人の感性や価値観を映し出しています。日本を訪れる外国人が「日本はかわいい国だ」と感じるのも、この文化が社会のさまざまな場所に根付いているからなのかもしれません。

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この記事を書いた人

日本とオーストラリア、二つの国に縁を持つWebデザイナー兼ライター。
介護業界で約14年間、現場業務や事業所運営に携わった経験を持つ。

現在はオーストラリア人のパートナーとともに、多文化な価値観に触れる日々を送りながら、三人のティーンエイジャーの母としても奮闘中。

このブログ「Two Country Life」では、日本とオーストラリアを行き来しながら、二つの国の暮らしや文化の違いを実体験をもとに発信しています。異文化理解の架け橋となることを目指しています。

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