文化が映る健康観の違い:オーストラリアと日本を実体験で比較

病気にならないようにランニングをして予防する健康的な男性。

日本とオーストラリアでは健康観が驚くほど違います。日本人は不調があるとすぐに病院を受診する人がほとんどです。一方で、オーストラリア人は受診より予防に対する意識がとても高いように感じます。ここでは、両国の健康に対する考え方の違いを、私の実体験とともにお伝えします。

目次

健康に対する考え方の違い

医療制度の違いは、その国の健康観にも大きく影響しています。
オーストラリアでは予防医療が重視され、健康を自分で管理する自己責任の意識が根付いています。一方、日本では不調があればすぐに病院を受診する傾向が強く、医療に依存する傾向も見られます。

オーストラリア:予防医療と自己責任の文化

予防のためにワクチン注射を打つ健康に気を付けている若い女性。

オーストラリアでは、健康管理は自己責任という考えが社会に根づいています。病気になってから治すのではなく、病気にならないように予防することに重点を置いているのが大きな特徴です。例えば、毎年の定期健診、がん検診などの早期発見プログラム、インフルエンザなどのワクチン接種といった取り組みに対して、多くの人が自主的に参加します。
また、GP(General Practitioner 家庭医)との関係性も重要です。健康のことはまず信頼できるGPに相談するという意識が一般的です。GPと関係を築き、自分の健康履歴をしっかり把握してもらう。そうすることで、より的確なアドバイスや治療を受けられるという考えが根底にあります。
さらに、「無理をしない。」「早めに休む。」「自分の体調に正直でいる。」といったライフスタイルも浸透しています。健康は仕事よりも優先される傾向にあります。

実際に私のパートナーは、「喉が痛い」「少し熱がある」という状態でも当たり前のように仕事を休みます。無理をして仕事に行って悪化させたくない。症状が軽いうちに身体を休ませるのだと言います。確かにその通りなのです。しかし、無理をしてでも仕事に行くという日本の文化で育った私にとって、大きなカルチャーショックでした。

日本とオーストラリアの医療制度の違いはこちらで詳しく解説しています。

歯の健康を大切にするオーストラリア人の価値観

歯の健康に対しては、予防を重視する傾向があると感じます。
私のパートナーは、年に2回は必ず歯科の定期健診に行きます。少しでも違和感があれば、迷わず歯医者を受診します。最初は「ちょっと大げさかな?」と思ったのですが、オーストラリアではごく普通の感覚なのです。
オーストラリアでは歯科治療はメディケアの対象外です。したがって自己負担になることがほとんどです。そのため、悪くなる前に予防する方が結果的に安く済むという考えが定着しています。

日本では、予防の意識がまだ低く、多くの人は悪くなってから歯医者に行きます。こうした違いからも健康への向き合い方に文化の差があることを感じさせられます。

日本:病気になってからの対処が中心

具合が悪くなり、病院を受診する若い女性が受付で病状説明をしている。

日本では、病気になってから病院に行って治してもらうという考えがまだ主流です。
もちろん予防接種や健康診断などの制度は整っています。しかし、国や会社主導で受ける義務的なものと考える人も少なくありません。健康=自己責任というよりは、「病気になったら病院で治してもらう。」「医師の指示に従う。」といった、医療に依存する姿勢が見られます。
また、「多少の不調は我慢して当たり前。」「体調よりも仕事を優先する。」といった古き良き時代の悪しき美徳も根強くあります。そのため、体調管理よりも根性論が勝ることもあります。これはオーストラリアとの大きな文化的ギャップの一つです。

健康観の違いを実際に感じたカルチャーショック

サプリメントを手のひらに乗せ、病気を予防する健康的な人。

私のパートナーは、体調が悪くなっても、すぐに病院に行こうとはしません。一方で日本人の私は、ほんの少しでも体に異変を感じると、すぐに病院を頼ってしまいます。そんな私にとって、「まずは様子を見る」というオーストラリアのスタイルは、最初とても不安に感じました。

オーストラリアの人は、家でしっかり休みます。そして、できるだけ薬に頼らず、ビタミンや水分を取って自然に治すという考え方が主流です。彼の具合が悪いと聞くと、必ず義父がオーストラリアから電話をくれます。「レモン果汁にはちみつとパプリカパウダーとジンジャーパウダーを入れて…。」と自然に治すための方法を教えてくれます。また、普段からサプリメントを取り入れたり、運動をしています。そうすることで病気を未然に防ぐという当たり前の考えが根付いています。

「まずは様子を見る」スタイルには最初こそ戸惑いました。しかし、医療に頼りすぎていた自分の価値観を見直すきっかけになりました。今では私も1日に1万歩を目指したり、風邪をひかないよう積極的にしょうがを摂るようになりました。ビタミンのサプリメントも飲んでいます。私の健康観も変化しつつあります。

まとめ

オーストラリアと日本、それぞれの健康観には文化的背景があります。日本のように医療機関にすぐつながる安心感は心強いです。また、オーストラリアのように予防医療を重視し、自分の健康を自分で管理する姿勢も見習いたいポイントです。
海外で暮らす場合は、その国の文化に慣れるまでに時間がかかるかもしれません。しかし、違いを知っていることで、不安や戸惑いがぐっと減ります。この機会に、自分の健康との向き合い方を見つめ直すきっかけにしてみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人

日本とオーストラリア、二つの国に縁を持つWebデザイナー兼ライター。
介護業界で約14年間、現場業務や事業所運営に携わった経験を持つ。

現在はオーストラリア人のパートナーとともに、多文化な価値観に触れる日々を送りながら、三人のティーンエイジャーの母としても奮闘中。

このブログ「Two Country Life」では、日本とオーストラリアを行き来しながら、二つの国の暮らしや文化の違いを実体験をもとに発信しています。異文化理解の架け橋となることを目指しています。

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